顎関節治療とボトックス
以前からお話しているように、名取歯科医院では顎関節治療にはマウスピースを使いません。
顎関節治療の中で当院で使う比較的多い治療法は、ボトックス治療になります。
ボトックスとは、ボツリヌス菌毒素によって作り出されたたんぱく質成分を抽出した安全性の高い医薬品です。一般的にボトックスは美容領域で知られますが、医科領域では脳疾患による痙縮の治療、顔面神経麻痺のリハビリテーションなど筋肉の緊張を解きほぐす作用を利用して広く用いられています。
顎関節症の治療でも、ボトックスは、噛み締める筋肉を緩めるために使います。もちろん、ボトックスだけではなく、患者さんの状態に合わせて、ほかの治療を組み合わせる事も必要です。
余談ですが、当院の患者さんの男女比は8:2で、圧倒的に女性が多いです。実は、顎関節症になる男女比も女性の方が多いです。
ボトックス治療と歯科治療をすると、良く噛む事が出来るようになるのはもちろん、結果として小顔になるので患者さんにはとても好評です。
下記は当院のスタッフがボトックスを用いた治療方法を試した際の時間経過の写真ですが、顔の輪郭が変わっていくのが良くわかりますね。
名取歯科医院で用いるボトックスは、イノトックス(Innotox®)というボツリヌストキシン製剤を使用しております。このイノトックスは、従来型の粉末で医院に提供されるボトックスと異なり、通常は粉末製剤で添加されるヒト血清アルブミン不使用のため、ヒト由来の感染症リスクが抑えられています。また、液体製剤のため、粉末製剤のように生理食塩水で希釈する際の細菌汚染、また稀釈濃度の差異で効果が不安定になることもありませんので、より安全です。