顎関節症の治療方法
残念ながら、日本では顎関節治療はここ30年全く変わっていないと言わざるおえないという出来事がありました。
それはある専門誌にて「アプライアンス治療」というものが紹介されていましたが、これはいわゆるマウスピース治療です。ひとつお伝えしておきたいのは、名取歯科医院では、けしてマウスピース治療を否定するわけではありません。
マウスピースがすべてにおいて効果がないというわけではなりません。ただマウスピースでは患者さんの問題を解決できない、場合によっては状況を悪化させてしまうこともあります。
実際に、名取歯科医院にいらっしゃる患者さんでマウスピース治療をしても全く効果が無く、どうしていいのかと迷い相談にいらっしゃた方が多くいます。
私も昔は顎関節症患者でしたが、マウスピースでの治療は残念ながら効果がなく、どうしたらいいのか治療方法が見つからず悩み迷った一人です。
実のところ、きちんと顎の解剖や機能を理解している歯科医師はむやみやたらにマウスピースをしません。検査もせず科学的な根拠を得ずにマウスピースをただリスクが少ないからという曖昧な理由を述べる歯科医師は、実のところ顎の解剖や機能がわかっていないのではないでしょうか。
名取歯科医院では噛みしめなどの治療には、ボトックス注射を用いています。一般的にボトックスは美容領域で知られますが、医科領域では筋肉の緊張を解きほぐす作用を利用して広く用いられています。歯科領域、また顎関節治療においてはボトックスは、噛む力が強すぎる場合などに、顎関節や噛み合わせ及び歯へボトックスを注射することによって、噛みしめる「力」そのものをコントロールすることを目的として用います。
これからの治療は、良いと言われているからなどという漠然とした理由ではなく、科学的な根拠が大切であると名取歯科医院では考えています。