歯を削る顎関節治療
先日、私の患者さんから顎関節症の治療で5年間マウスピース治療を受けても症状が改善しなかったという方のご紹介がありました。ご紹介でいらしたその患者さんはこれまで矯正治療を受けただけで、歯は全てご自身の健康な状態でしたので、削ることは避けてきたそうです。
顎関節症学会が出しているガイドラインでは、顎関節症治療においては歯を削ることは推奨されていません。しかし、名取歯科医院では精密検査の結果から、この患者さんには歯を削る治療(咬合調整)が必要であると判断しました。詳細な診断結果については割愛させていただきますが、患者さんに検査結果のデータをご覧いただきながら治療のご説明をおこない、了承を得た上で咬合調整による顎関節治療を行いました。
私自身が驚いたのは、治療後1週間で患者さんの症状は改善しました。これまで5年間治らなかった症状が、わずか1週間で改善したことに患者さんご自身も驚いておられました。このように、咬合調整だけでも顎関節症の症状を安定化させる事が可能です。
名取歯科医院では、デンタルドックによる精密検査と診断に基づいた咬合調整が顎関節症治療の中心であり、それは前述のガイドラインとは逆のアプローチとなります。大切なのは患者さんの症状や状態に応じて、適切な治療法を提供することです。名取歯科医院では精密検査で取得するデジタルデータに基づき、患者さんの顎関節の状態を正確に把握し、その上で最善の治療をご提案しています。