歯と顎関節の関係歯と顎関節の関係

歯と顎関節の関係


これは顎関節のMRI画像です。歯科医はこれを見て、この患者さんのお口の中を想像出来なくてはならないと考えています。
顎関節は身体の関節の一部なので、構造的には肘関節や膝関節と一緒です。
顎関節は骨だけでなく骨と骨のクッションとなる関節円板、関節円板と骨に繋がる多くの筋など軟組織で構成されています。口を開け閉めする運動は関節円板と下顎骨(顎の骨)に繋がる筋がバランス良く働くのです。

骨や筋肉の状態を知る為にはMRI撮影が必要です。CTだけではわかりません。
MRI画像があるからこそ、噛み合わせをどのように治療をするのか診断できるようになります。
外傷などによって骨や筋、そして関節炎版などが変化すれば当然、延長線上にある歯も変化します。
歯は顎関節の変化に追随して自動的に動くのです。
しかし、仮にこの口にインプラントが入っていたらどうなるか分かりますか?
インプラントは歯ぐきに固定されるため、自然歯と異なって動かないという性質を持ちます。そこから噛み合わせの不具合が起きてくるのです。
このような事を理解せずにインプラントや矯正治療、セラミッククラウンを行っても噛み合わせの治療はうまくいきません。
スプリント(マウスピース)治療をしたり、マッサージをしたり、レジンで噛み合わせの高さを変えたり様々な治療が行われているのですが、歯へのアプローチを行うだけで噛み合わせ治すことは難しいです。
今は令和のデジタルな時代ですので、専用の機器を用いてその結果を見ながら治療をしていくという事や、顎関節の解剖学を熟知していないと、良好な結果を得られないでしょう。